第17回:プライドを捨てて「関係ない情報」でバズる|悩める製造業のための別角度アプローチ

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前回は、自社の理念を見直し、発信の「テーマ軸」を固める重要性についてお話ししました。

しかし同時に、
「理念や強みなんて、そう簡単に見つからない」
「難しく考えすぎて、余計に投稿できなくなった」
と壁にぶつかってしまった方も多いのではないでしょうか。

そんなあなたに、今回はあえて真逆の提案をします。
「自社製品をアピールするプライド」を一度、完全に捨ててみてください。

自社の製品や技術とは一見、まったく関係のない情報。
それらを掛け合わせることで、アカウントを一気に有名にする手法があります。

「ものづくりの会社」という枠を飛び出し、別角度の視点を持つことでファンを獲得する、ユニークな7つの掛け合わせアイデアをご紹介します。

目次

自社製品に縛られない「製造業×〇〇」の掛け合わせ7選

「何を発注できるか」ではなく、まずは「このアカウント、面白い!」「役に立つ!」と認知してもらうための切り口です。

① 製造業 × 「ニュース解説」

現場のプロ目線から、金属原料の価格高騰、サプライチェーンの動向、新技術の発表などのニュースを分かりやすく解説します。
需要がある相手
経済のリアルな動きを知りたい投資家(トレーダー)
同業界のビジネスパーソン
効果
市場のリアルタイムな動向を語ることで、業界内での「信頼できる専門家」としての地位が確立されます。

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② 製造業 × 「人生・精神論」

「鉄は熱いうちに打て」「バリ取りのように、人生の雑音を削ぎ落とす」など、過酷な金属加工のプロセスや職人魂を、人生訓やマインドセットへ昇華させて語ります。
需要がある相手
仕事やプライベートで悩み、人生の指針や心の支えを求めている人
効果
ものづくりに対する深い姿勢が、そのまま「信頼できる会社・経営者」という人間的な魅力として伝わります。

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工場特有の徹底された仕分けシステム、工具の配置、効率的な収納アイデアを発信します。美しく整列した工具のビジュアルだけでも目を引きます。
需要がある相手
整理整頓が好きな人
美しい収納を見てスッキリしたい人
効率的なデスク周りを作りたいビジネスパーソン
効果
工場で使っている仕分け道具や自作のホルダーが「これは便利!」と注目され、
思わぬ形で拡散されます。

④ 製造業 × 「悩み相談」

フォロワーから寄せられた仕事や人生の悩みに、工場のメンバーが答えます。
需要がある相手
誰かに話を聞いてほしい人
職人のリアルな人生経験に基づいたアドバイスが欲しい人
リスク対策
回答者が1人に集中して負担にならないよう、「ベテラン職人の回答編」「若手社員の回答編」「社長の回答編」など、複数パターンを用意してチームで役割を分散させます。
効果
企業の「中の人」の体温がダイレクトに伝わり、圧倒的な親近感とファンが生まれます。

⑤ 製造業 × 「業界の裏話・マニア向けネタ」

「一般の人は絶対に使わない超特殊なネジ」「鉄が溶ける瞬間のマニアックな色の変化」など、業界人にとっては日常でも、一般人から見れば未知の世界である裏話を語ります。
需要がある相手
鉄マニア
工場見学が好きな人
ディープな知識欲を満たしたい人
効果
マニア層が熱狂的な拡散役(インフルエンサー)となり、認知度が爆発的に広がるきっかけを作ります。

⑥ 製造業 × 「地域自慢」

自社がある街の美味しいランチ、お祭り、ローカルな歴史など、地域に特化した情報を発信します。
需要がある相手
近隣に住む住民
同地域の他企業
その街に興味がある人
効果
地域のハブアカウントになることで、地元での知名度が向上。
結果として、地域採用(求人)や地元の企業間連携に強力に作用します。

⑦ 製造業 × 「アート・作品づくり」

端材(余った金属ゴミ)を使って作ったミニチュア模型や、独自の技術で極限まで薄く・曲げて作った「謎の造形物」を披露します。
需要がある相手
美しいデザインが好きな人
純粋に「すごい形!」と驚きたい一般ユーザー
海外ウケがいい
効果
言葉での説明が不要なため、海外のユーザーや若年層にも直感的に技術の凄さが伝わり、バズを起こしやすくなります。

まとめ:入り口は「何でもいい」。有名になった後に理念がついてくる

「こんな関係ないことばかり発信して、本当に仕事に繋がるの?」と不安に思うかもしれません。

しかし、SNSにおける最大の罪は「誰にも見られないこと」です。
まずは
「ニュース解説が面白い会社」
「整理整頓が美しすぎる工場」
として有名になり、多くの人にアカウントを見つけてもらいましょう。

あなたのファンになった人たちは、やがてプロフィールを見に行き、ウェブサイトを訪れ、あなたが心の奥底に秘めている「実は、日本の医療や命のインフラを支えている」という本質的な理念や強みに、後から必ず気づいてくれます。

難しく考えすぎてガチガチになってしまうくらいなら、一度プライドを横に置いて、自社が提供できる「面白い情報」「楽しい情報」から、手探りで始めてみませんか?

ある、本当に生真面目な部品加工の町工場での出来事です。
社長さんは毎日、自社の超精密なネジの写真を「今日も0.01mmの精度を達成しました」と投稿していましたが、いいね!はいつも身内の数件だけ。ネタも尽き、完全に頭を抱えていました。

ある日、心が折れかけた担当者が、やけくそで「今日の工場長の手作り愛妻弁当が、茶色一色で豪快すぎる」と、製品とは1ミリも関係ない写真を投稿したそうです。

すると、その投稿が「お父さん頑張れ!」「この茶色さは美味い確定」と大バズり。

フォロワーが一気に数千人に膨れ上がりました。
最初は「ネジの紹介をしなきゃ意味がない」と渋い顔をしていた社長さんでしたが、増えたフォロワーたちが過去のネジの投稿を見返して、「え、このお弁当作ってる工場長、実はものすごい日本のロケット部品作ってる人なの!?ギャップが凄すぎる」と、本来の技術力に驚き始めたのです。

結果として、そのギャップに惚れ込んだ大手企業の若い設計者から、「あの弁当の工場長に、うちの試作を頼みたい」と、DMから正式な発注が入るようになりました。

入り口は、ネジではなく「お弁当」でもいい。
プライドを捨てて開けた窓から、本質的な技術の価値へと風が吹き込んでくる。SNSのブランディングには、そんな面白い裏口ルートが、常に用意されているのです。

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